油断するな。迷わず撃て。弾を切らすな。ドラゴンに手を出すな。

油断するな。迷わず撃て。弾を切らすな。ドラゴンに手を出すな。

シャドウランのキャッチコピーです。Shadowrun Returnsで懐かしくなったので、ちょっと自分の知識を整理してみました。

TRPG:シャドウラン

Shadowrun テーブルトークのルールブック
油断するな。迷わず撃て。弾を切らすな。ドラゴンに手を出すな。

シャドウランは、元はTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)です。世界設定はファンタジー&サイバーパンク。ムチャクチャ強引ですね。ルールブックを引っ張り出してみました。

世界設定

舞台は2050年。
油断するな。迷わず撃て。弾を…のストリートの警句の後に世界が紹介されてます。
〈覚醒〉でオークやエルフ、ドワーフ、ドラゴン(!)などに先祖返りした元人間と人間が混在する近未来社会。サイバーテクノロジーの世界と魔法などのファンタジックな要素がごった煮状態になってます。コンピュータウイルスや疫病で人口は激減、亜人と人間の衝突などでカオスってた状態から何とか立ち直りかけているのがプレイヤーの時代でしょうか。

いろいろあってなくなった政府の代わりに巨大企業がブイブイ言わせてます。ちなみに日本は早々と鎖国したおかげで比較的ダメージが少なく、有名な巨大企業がいくつも生き残りました。現実世界と同じく、巨大企業同士は常に争っています。
企業が表立ってはできない「闇の仕事」を請け負うのが、プレイヤーたち『シャドウランナー』。暗殺からハッキングまで、とにかくきちゃない仕事を秘密裏に請負い、静かに消えてゆきます。

スーパーファミコン版の主人公もシャドウランナーで、オープニングで襲撃されたのは仕事がらみの『大人の事情』でした。

ゲームルール

ゲームルールは今からすればまあ「普通」。種族を決定後、能力値を振り分け技能を選択します。ストリートメイジ、デッカーなどのアーキタイプは存在しますが『職業』はありません。
魔法とテクノロジーは非常に相性が悪く、身体をサイバーウェアで強化すればするほど魔法を使うのは困難になります。スーファミ版の主人公は、強化した体で強力な精霊魔法を使っていましたが本来はありえません。『ゲームの中のお話』ですね。

戦闘ルールは面白い

戦闘は銃、刀、弓、火器、魔法、乗り物と何でもありです。壁のタイプによる貫通や爆発物の範囲など細かく設定された近接戦のルールはちょっとした読み物です。魔法も豊富でシャーマン魔法や錬金術など一通り揃ってます。

映画じゃないよマトリックスの世界

このゲームのウリは、世界規模のシステムネットワーク『マトリックス』の世界です(当然映画の方ではありません)。マトリックスへのアクセスは『デッカー』と呼ばれる技術者が『サイバーデッキ』という端末で行います。コンピュータと頭をケーブルで接続する、という表現が一番分かりやすいでしょうか。っていうか、デッカーが表紙にいるやん。これ見たら一発でした。
作業の間キャラは放心して無力になるので、仲間の保護が必要になります。

要約
「現実での感覚はサイバー世界に移行します。思考はコンピュータのコマンドに置き換えられ、データを命じたとおりに操ることができるのです。プログラムは視覚化され、セキュリティシステムなどがプレイヤーの前に立ちはだかるといった光景になるでしょう」

3Dゲームを思考のみで操作ってのが近い…かな?

最近読んだ本に、視力を失った人の視神経に電気信号を送って物の形を認識させる技術の成功が書いてありました。これって、まさにサイバーウェアですね! 神経や脳に機械をつないで自由に操作するのも、そう遠い日じゃないのかもしれません。

書いてたらめちゃくちゃ長くなったので、またいつかまとめます。ちなみに作者は日本好きらしく、お金の単位が「新円」になってたり、刀と銃で戦う「ストリートサムライ」なるアーキタイプが登場し、東京が大きく扱われてたりします。何かうれしいですね。

現在再販されてて、最新版は4th Edition。5000円強ですね。高っ!